個人事業主における「貸倒引当金」の個別評価と一括評価とは?

2018年02月14日

  本日もご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、群馬県太田市にある会計事務所、税理士の堀越 誠と申します。

  「貸倒引当金繰入額」とは、受取手形、売掛金、貸付金などの債権で事業の遂行上生じたもの
 (以下、「貸金等」と言う)を持っている方のうち、それが取引先の倒産等により、将来回収不可能
 (貸倒れ)になってしまうリスクに備えて事前に費用として引き当てておくモノです。
  さらに、この費用は経費として計上できる(所得額がその分減少する)こととなります。

  以下、貸倒引当金は、次の2つに分けられます。
 ①個別評価による貸倒引当金
   取引先に、更生手続開始の申し立て等の事由が生じているなど、取引先の支払い能力から見て全額が
  回収できないことが明らかになった場合に適用できる引当金で、申告するには引当金の明細書を添付する
  必要があります。
   全ての債権に一律の%ではなく、相手先や勘定科目によって、貸倒れ見込み率を別に設定します。

 ②一括評価による貸倒引当金
   青色申告を行う個人事業主が、対象となる貸金等に一定の割合をかけて算出する引当金です。
  貸金等の金銭債権の合計額に対して法定繰入率を掛けて計算した金額を「貸倒引当金繰入額」として
  計上します。法定繰入率は以下の通りです。

  ◦個人事業主:金融業3.3% その他5.5% (個人事業の青色申告者に限る)

 ☑大切なポイントは、取引先等の倒産などによる将来の損失に備え、事前に貸倒引当金を経費として計上して 
  おくことで、実際に債権が回収不可能になった場合には、大きな損失が発生するリスクを軽減することが
  できます。さらに、貸倒引当金繰入額は経費として計上できますので、その分課税金額が減り、節税効果が
  ある、という事です。

 本日も誠にありがとうございます。堀越まこと経営会計事務所 堀越 誠

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