収入の特例(「現金主義」)とは?

2017年07月16日

  本日もご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、群馬県太田市にある会計事務所、税理士の堀越 誠と申します。

  収入金額の計算基準は、原則「発生主義」ですので、お店を開業した場合、
 日々の帳簿付けは、複式簿記による「発生主義」により計上する会計方法を採用します。
  発生主義とは、現金の収入や支出を行った時点の日付ではなく、
 収入や支出の事実が確定した時点の日付で帳簿付けをする方法です。

  しかし、一定の要件を満たす場合には、特例として「現金主義」を採用することが
 可能です。
  現金主義を採用するためには、次に定める一定の要件が必要となります。
 ①小規模事業者であること…小規模事業者とは、前々年の不動産所得と事業所得の合計額
             (青色事業専従者給与の金額を控除する前)が300万円以下であること。
 ②青色申告であること…「所得税の青色申告承認申請書」をその適用を受けようとする年の3月15日
            までに税務署に提出していること。
 ③事前に届出をしていること…「現金主義による所得計算の特例を受けることの届出書」をその適用
               を受けようとする年の3月15日までに税務署に提出していること。

  「現金主義」とは、実際に現金の支出があった時に費用を計上し、現金の収入があった時に
 収益を計上する会計方法です。
  「現金主義」は、実際に現金を受け取った時に収入を計上するので、収入の計上時期が
 非常に明確であり、事務負担の軽減を図ることができます。
  また、実際の現金の移動が行われているという客観的事実に基づいて記帳されるため、
 確実性が高く、会計不正を防ぐことができます。
  さらに、実際に現金を受け取った時に、売上として収入を計上するので、手元に現金があり、
 納税資金の確保の点でも有利です。

  しかし、掛売上や掛仕入などで発生した収益・支出を計上できず、適正な期間損益計算
 することができません。また、長期にわたり使用する機械等の資産も、購入時点でしか記録がなされず、
 現状の資産額を把握できません。

 ☑大切なポイントは、「現金主義」は現金取引中心の小規模事業者である限り、適正な会計処理
  ができません。ですので、「現金主義」はあくまで特例であり、原則は「発生主義」を採用する
  ことになるという事です。

 本日も誠にありがとうございます。 堀越まこと経営会計事務所 堀越 誠
 

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