「永年勤続社員」に支給する旅行券の取扱いとは?

2017年09月09日

  本日もご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、群馬県太田市にある税理士事務所、税理士の堀越 誠と申します。

  例えば、長期勤続の従業員に対して、永年勤続表彰記念品として旅行券を支給するとします。
 この場合に支給した旅行券は、非課税として取り扱ってもよろしいのでしょうか?

  結論は、「永年勤続社員」に支給する旅行券は、原則として給与等として課税の対象となりますが、
 もしも一定の要件を満たしているのならば、非課税となります。「福利厚生費」として処理できます。
  なぜなら、旅行券は、一般的に有効期限もなく、換金性もあり、実質的に金銭を支給したのと同じ
 扱いとなるため、原則は給与等として課税となります。

  しかし、以下の要件を満たしている場合は、課税しなくても差し支えないこととされております。
 ☒
【支給金額】
   支給金額が、社会通念上相当額と認められるかについては、所得税法個別通達において具体的に金額が
  示されています。
  ◦勤続年数満25年の従業員…10万円相当の旅行券
  ◦勤続年数満35年の従業員…20万円相当の旅行券

 ☒【旅行条件等】
  ①旅行の実施は、旅行券の支給後1年以内に行われること。
  ②旅行の範囲は、支給した旅行券の額からみて相当なもの(海外旅行を含む)であること。
  ③旅行券の支給を受けた従業員がその旅行券を使用して旅行を実施した場合には、会社が適宜作成した所定
   の報告書に必要事項(旅行した従業員の所属・氏名・旅行日・旅行社等への支払額など)を記載し、これ
   に旅行先等を確認できる資料(領収書等等)を添付して会社に提出すること。
  ④旅行券の支給を受けた従業員が、この旅行券の支給後1年以内に旅行券の全部または一部を使用しなかった
   場合には、使用しなかった旅行券を会社に返還すること。

 ☑大切なポイントは、旅行券を支給して実施する旅行が、【支給金額】【旅行条件等】を満たしている場合    
  には、会社が旅行に招待した場合と実質的に変わりがありませんとして、「福利厚生費」として処理をして
  も差し支えない、という事です。

 本日も誠にありがとうございます。 堀越まこと経営会計事務所 堀越 誠


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