本日もご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
私は、群馬県太田市にある会計事務所、税理士の堀越 誠と申します。
お店を新規開業するオーナー様にとって、お店を出店する一つの目安として
重要な指標に「ROI」があります。
「ROI」とは、「投資収益率」「投資利益率」と呼ばれるもので、
Return On Investment(リターン・オン・インベストメント)の略です。
投下した資本に対して、どれだけ効率的に利益が得られたかを表す数値です。
お店の収益性や投下した資本の運用効率を評価する際に使われる基本的な
指標であり、ROIが高いほど、より効率的で収益性が良いという事になります。
「ROI」投資収益率の計算式は、シンプルに言うと次の通りとなります。
ROI(%)=当期営業利益/投下資本×100
例えば…
投下資本(開業費):500万円
当期の営業利益額:100万円
であれば、100万円÷500万円×100=ROI(%)は20%となります。
1年で100万円の営業利益が出てきますので、投下資本の回収には5年の年月が
必要という事になります。
つまり、お店を出店した際にかかった開業費を、5年で回収できるという事です。
ここで、以前のワタミ㈱は、このROIの基準値がダントツに高いことで有名でした。
「和民」ブランドは、出店の目安を、なんとROI40%においておりました。
これは20%の2倍の数値であり、お店を出店する際にかかった開業費は、わずか2.5年
で回収できてしまうという、圧倒的なROIの高さとなっております。
これにより、全盛期の「和民」は一気に多店舗展開が可能になり、急成長していった
大きな要因の一つであると言えるでしょう。
「ROI」(投資回収率)を上げるためには、まずは、新規開業の際にかかる費用を抑えて
投下資本(開業費)の金額を下げるという方法があります。
その後、開業してから、日々の経営の中で固定費や変動費を下げる試みをして、
営業利益額を上げるという方法があります。
「飲食業」・「美容業」とも、経営が軌道に乗るのに平均的には、6カ月超の期間を要する
傾向があります。
ですから、なるべく早く経営を軌道に乗せることが大切ですが、実は、出店の段階から
投資対効果を常に意識し、当てずっぽうな、無謀な投資は慎まなければなりません。
☑大切なポイントは、開業前から、投資金額をしっかりと見積もり、ある程度の回収率を
計算しておく。実際には少しだけ、小さく賭ける事が大切であろうかと存じます。
できるだけ、小さく賭けておけば、失敗のダメージも小さいのでリカバリーも早くできるでしょう。
商人の基本は確実に儲けることであって、損をすることではありません。
本日も誠にありがとうございます。 堀越まこと経営会計事務所 堀越 誠
«前へ「「飲食業」・「美容業」を含む全業種の、シンプルだが大切な公式とは?」 | 「「飲食業」・「美容業」の多店舗展開において、大切な指標(ROI)とは?」次へ»