「未払金」と「未払費用」の処理の違いとは?

2017年07月18日

  本日もご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、群馬県太田市にある税理士事務所、税理士の堀越 誠と申します。

  会計処理における勘定科目において、「未払金」と「未払費用」の違いは何でしょうか?
  まず、「未払金」とは、本来の営業取引以外の非継続的な取引から生じる債務を対象とする
 勘定科目です。
  シンプルに言うと、本業以外の取引から発生する代金で、まだ支払っていないものです。

  これに対して、「未払費用」は、決算時に、本来の営業取引以外の継続的な取引から生じる
 債務の当期分未払額を計上するための経過勘定科目です。
  シンプルに言うと、本業以外で継続的なサービスを受けているもののうち、まだ代金を支払っていない
 部分を言います。
  未払費用は、経過勘定科目ですので、決算時に生じた未払費用は翌期首に元の勘定科目に振戻仕訳を行う
 必要があります。

  「未払金」として処理するのは、通常の取引に関連して発生する未払金で、一般の取引慣行として
 発生後短期間に支払われるものを計上します。
  通常取引で発生する未払金は、電気、ガス、水道料、外注加工費等の事実上の未払額、広告料、
 販売手数料、売上割戻金などの未払額です。
  また、固定資産の購入や有価証券の購入などのように通常取引以外の取引で生じた未払金で、
 1年以内に支払われるものも未払金として処理します。

  これに対して、「未払費用」として処理するものは、給料、社会保険料、支払利息、賃借料などが
 あります。
  貸借対照表日までに支払っていない費用であっても、実際に物品の購入や、役務の提供を受けていれば、
 その期間の経過に応じて費用は発生していると考えます。
  したがって、適正な期間損益計算を行うためには、未払費用として、当期の損益計算に計上し、
 貸借対照表の負債の部に計上する必要があります。

 ☑大切なポイントは、実務上では、次の通りに使い分けが行われております。
  すでに支払い義務が生じている・債務が確定しているもの(請求書が来ているもの)は「未払金」として
  処理します。
  いまだ支払い義務が生じていない・債務が確定していないもの(請求書が来ていないもの)は「未払費用」 
  として処理します。

 本日も誠にありがとうございます。 堀越まこと経営会計事務所 堀越 誠




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