なぜ、お店の「資金繰り」が行き詰まるのか?

2017年07月26日

  本日もご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、群馬県太田市にある会計事務所、税理士の堀越 誠と申します。

  新規でお店を開業したり、会社を開始するには多額の設備投資や商品の仕入費用などが
 かかってきます。さらに従業員への給与支払いや、家賃等の固定費も定期的にかかってまいります。
  特に、従業員の給与支払いや、事務所・店舗家賃等の固定費、さらには、融資を受けている場合は
 借入金の返済・利息の支払いが毎月毎月定期的にのしかかってまいりますので、現金(キャッシュ)
 の支出は避けられません。金策に追われることになってしまいます。これが「資金繰り」の問題です。

  しかし、「資金繰り」をシンプルに言うと、支払うべき時に支払額以上の現金(キャッシュ)を持っていれ 
 ば、本来は資金繰りに困ることはありません。実は、非常にシンプルで簡単なことです。
  しかしながら、資金繰りは、考えるのとやるのとでは大違いで、世の中のほとんどの黒字会社が、決算書の 
 上では利益が上がっているのにもかかわらず、手元に現金(キャッシュ)がない、残らないということに
 なってきてしまいます。
  「勘定合って銭足らず」です。これが行き過ぎてしまうと、黒字倒産ということにもなりかねません。

  では、なぜ利益がしっかり出ているのにも関わらず、「資金繰り」が苦しくなってしまうのでしょうか?
  その原因と一言でシンプルに言うと、「タイムラグ」すなわち「時間差」が生じているからです。

  これは、もしも全ての取引が現金(キャッシュ)のやり取りだけで完了できる、現金仕入・現金売上だけで
 あるならば、損益計算書(収益-費用=利益)で計算された利益と、収支計算書(収入-支出=収支)で計算  
 された現金残高は完全に一致するので、「勘定合って銭足らず」にはなりません。

  しかし、実際の商取引では、現金取引だけの商慣習はまれであり、商品を掛で仕入れたり(買掛金)、
 商品を掛で売り上げたり(売掛金)、手形で掛代金を支払ったり(支払手形)、手形で掛代金を受け取ったり
 (受取手形)しているわけです。

 ☑大切なポイントは、実際の商取引では、取引が現金(キャッシュ)取引だけではないので、収支計算が
  損益計算と一致しなくなってしまう。
  ですから利益が上がっているのに、実際に手元にキャッシュがないということになってしまう。
  経営上、何よりも大切なのは「現金」であると言えましょう。「お金、現金、キャッシュ」です。
  とにかく、商売は現金さえショートせずに循環させていれば、実質は倒産状態である状態の悪い会社で
  あっても、存続することが可能だからです。ですから、「現金」は人間でいう血液にあたると言えます。
 
 本日も誠にありがとうございます。 堀越まこと経営会計事務所 堀越 誠

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