会社設立のために支出した「創立費」の処理とは?

2017年08月09日

  本日もご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、群馬県太田市にある税理士事務所、税理士の堀越 誠と申します。

  株式会社を設立した場合には、設立登記完了の日までにかかった費用を「創立費
 として資産計上できます。
 「創立費」とは、法人登記をするまでの期間に会社設立のために支払った特別な支出です。

 「創立費」として処理するモノを挙げますと、会計上の範囲では、以下のような費用です。
  ◦定款・諸規則作成費用
  ◦株式募集等のための広告費
  ◦目論見書・株式申込証等の印刷費
  ◦創立事務所の賃借料
  ◦事業に従事する使用人給料
  ◦証券会社等の金融機関の取扱手数料
  ◦創立総会の費用
  ◦会社設立事務費用
  ◦発起人が受ける報酬
  ◦設立時の登録免許税

  創立費は、原則として支出時に営業外費用として処理します。
 創立費は、会社設立時の特別な費用であるため、営業に関連している一般管理費ではありません。

  また、創立費は、法人税法に関する処理においては、繰延資産として処理することもできます。
  繰延資産として計上した場合には、会社設立時から5年以内の効果が及ぶ期間にわたって、定額法
 で償却します。支出の効果が期待されなくなった時には、未償却残高を一時に償却します。

  さらに、創立費は、期限なしの任意償却という方法を選択して計算することも可能です。
  法人税法の任意償却では、任意に償却することが可能ですので、損金経理を要件に全額一時に償却する
 こともできるのです。

  したがって、任意償却では赤字の年には償却せずに、業績が黒字に転じてから、黒字の額に合わせて
 必要な金額を適切なタイミングで償却し、必要経費に計上する方法もとることができます。

 ☑大切なポイントは、会社設立第1期は、創立費などの費用がかかるため、事業が軌道に乗るまでは赤字
  になる恐れがあります。
  そこで、創立費を繰延資産として資産計上しておけば、利益が発生した時には、任意償却を適用して、
  必要経費に計上するなど、節税につなげることもできるという事です。

 本日も誠にありがとうございます。 堀越まこと経営会計事務所 堀越 誠

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