本日もご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
私は、群馬県太田市にある会計事務所、税理士の堀越 誠と申します。
青色申告は所定の帳簿(仕訳帳、総勘定元帳その他必要な書類(所規58))を記帳し、
それに基づいて確定申告書を提出することにより種々の特典(メリット)が受けられる
制度です。
青色申告のメリットとして、純損失の繰越し・繰戻しがあります。
☒事業所得などに損失(赤字)の金額がある場合で、損益通算の規定を適用してもなお控除
しきれない部分の金額(純損失の金額)が生じたときには、その損失額を翌年以降3年間
にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除します(所法70)。
☒また、前年も青色申告をしている場合は、純損失の繰越しに代えて、その損失額を生じた
年の前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます(所法140)。
つまり、青色申告をすることで、お店が上手くいかず赤字が出たとしても、その翌年から
3年間にわたっては赤字の金額を繰り越して、その3年間のうちに生じた儲けから控除すること
ができるということです。これを「純損失の繰越控除」と言います。
一般的には、お店を新規開業されたオーナー様にとっては、大きな設備投資などの開業費用や
意図しない出費等で、開業初年度は黒字にすることが容易ではありません。赤字になることも
あるでしょう。
そこで、開業時から青色申告をすることで、翌年以降3年間にわたって、開業初年度の赤字を
繰り越すことができます。その後、2年目以降から頑張って黒字をたたき出していけば、この開業初年度の
赤字を控除することで、節税を図ることが可能になります。
また、前年も青色申告をしている場合には、今期事業で赤字が生じた場合に、その前年には黒字で
儲けが出ており税金を支払っているならば、その前年に今期の赤字を繰り戻すことができます。
前年の赤字を、今年度の儲けを相殺することができるのです。
前年の赤字と、今年度の儲けを相殺して税金を再計算することによって出た差額は還付することできます。
これを「純損失の繰戻還付」と言います。
ただし、「純損失の繰越控除」「純損失の繰戻還付」それぞれ適用するためには、つぎの3つの要件が
必要になります。
①青色申告をしていること
②申告期限内(3月15日)に確定申告書を所轄税務署へ提出していること
③翌年度以降も引き続き毎年、確定申告書を所轄税務署へ提出するること
☑大切なポイントは、お店を開業して毎年安定して儲けが出ていれば良いのですが、不安定になる年も
あることでしょう。その時に青色申告をしていれば、事業の赤字をその翌年から3年間繰り越すことができ、
節税が図れる、という事です。
ですから、青色申告を受けたいならば、その年の3月15日までに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署
へ提出する、新規開業の場合には開業の日から2カ月以内に提出することを忘れずに行ってください。
本日も誠にありがとうございます。 堀越まこと経営会計事務所 堀越 誠
2017年07月09日