「複式簿記」と「単式簿記」の考え方とは?

2017年07月28日

  本日もご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、群馬県太田市にある会計事務所、税理士の堀越 誠と申します。

  経営における日々の取引は、「簿記」という記帳法で帳簿に記入します。
  ここで、「簿記」とは、ある経済主体が経済取引によりもたらされる資産・負債・純資産の
 増減を管理し、併せて一定期間内の収益及び費用を一定の方法で記録・計算・整理して
 結果を明確にする記帳法のことを言います。
  よりシンプルに言うと、取引によって動いたお金やものの流れを帳簿に記録していく
 作業のことを言います。

  この簿記の作業は、平成26年1月から、白色申告者を含む、全ての個人事業主に対して
 「帳簿への記帳」と「帳簿類の保存」が義務化されました。

  「簿記」の方法には、「複式簿記」と「単式簿記」の2つの方法があります。
  「複式簿記」とは、複式とあるように、すべての簿記的取引を、その二面性に着眼して
 記録していき、複数の科目で記載する方法です。
  複式簿記は、単式簿記よりも手順としては複雑になりますが、経営状態をより正確に把握する
 ことができるという利点があります。

  一方、「単式簿記」とは、複式簿記とは違い、簿記的取引をただ一つの科目に絞り、記録・集計
 する記帳法のことを言います。
  基本的な取引内容だけを記入する方法なので、比較的簡単に期中の収支とリアルタイムの残高を
 把握することができるという利点があります。

  確定申告で青色申告を選択した場合には、「複式簿記」と「単式簿記」とで、税額が違ってくる
 ので注意が必要です。
  「単式簿記」では最大10万円までの控除しか受けられませんが、「複式簿記」の場合は、最大65万円
 の控除を受けることができます。
  ですから、「単式簿記」よりも「複式簿記」の方が節税効果は大きくなります。

 ☑大切なポイントは、65万円の青色申告特別控除を受けるためには、日々の取引を「複式簿記」で
  帳簿に記録することです。そして、損益計算書と貸借対照表の両方を提出する必要があります。
 「単式簿記」では、損益計算書は作成する必要がありますが、貸借対照表の提出までは求められません。

 本日も誠にありがとうございます。 堀越まこと経営会計事務所 堀越 誠

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